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2016

David Bowie ‘Sue (Or In A Season Of Crime)’

— Tom Hingston

TDC賞


 

David Bowie ‘Sue (Or In A Season Of Crime)’」ミュージックビデオ

デイヴィッド・ボウイのアルバム「Blackstar」に収録されているシングル「Sue (Or In A Season of Crime)」のプロモーションビデオです。曲調がとても映画的なので――闇と喚情性、呪文で呼び出されるフィルムノワール感――私たちは実写とグラフィック、動くタイポグラフィをミックスし、その時代を彷彿とさせるタイトルバックにというアイデアをとりました。ボウイがニューヨークのマリア・シュナイダー ・オーケストラとレコーディングした時に撮影された映像をベースに、それが映し出される夜の世界をイメージしました。歌詞を通して物語が語られますが、それが私たちのタイポグラフィックなアプローチの基本のカタチとなりました。ストーリーと音楽に不調和でメランコリックな激しさが感じられ、それこそまさに私たちがこの映像を通してとらえたかった感情でした。人のシルエットもそうですが、ミステリーの感覚、そして主人公をとりまく舞台の煙たさやムードから感じられる陰謀のようなものを強烈に創出していきました。文字の構成は自分たちのスタジオでデザインし、それを実際に撮影現場の荒れた壁面に投影しました。ビデオの鑑賞者が目にするものはすべて実際にカメラで撮影されたものなのです。うつし出された言葉の動きはズレなくトラックにシンクロし、歌詞が壁、天井、床の表面を流れ歌を形成し、幽霊のような痕跡となって消え入るまで、次第にレイヤーが深くなっていきます。


Tom Hingston(イギリス)
ロンドンをベースに活躍するクリエイティブディレクター、デザイナー。アートやデザインへの革新的かつ高い思考によるアプローチで知られ、その仕事は印刷、映像、デジタルの全範囲にわたる。彼のクリエイティブエージェンシーであるヒングストン・スタジオは、とりわけ音楽の仕事で多数の受賞歴がある。過去19年間の世界の著名アーティストたちとのコラボレーションは幅広く、グレイス・ジョーンズ、 ニック・ケイヴ、ケミカル・ブラザーズ、ザ・ローリング・ストーンズ、U2、レディー・ガガ、デイヴィッド・ボウイや、マッシヴ・アタックなど。イマジネーティブなアートディレクションをともなう他にないデザイン気風の融合をみせるHingstonは、クリスチャン・ディオール、アレキサンダー・マックイーン、オールバー・ブラウンやランコムなどのファッション、ライフスタイルおよび美容業界のクリエイティブディレクターにも任命された。グラフィックデザイナーとして映像仕事にかかわる中、多くの映画監督との仕事も手がけ、『プライドと偏見』『つぐない』『アンナ・カレーニナ』『誰よりも狙われた男』など、多数のタイトルバックを創出してきた。ロンドンRSAフィルムの代表。最近のディレクターとしての仕事にデイヴィッド・ボウイ、Bentley 、Naim Audioのプロモーションビデオがある。