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2016

Gutenberg Museum – Identity & Display System

— Chi-Binh Trieu

TDC賞


 

Gutenberg Museum – Identity & Display SystemVI+ディスプレイシステムの提案

ローザンヌ美術大学の卒業制作プロジェクト。私の故郷フリブールにあるグーテンベルク博物館は、私にとってのタイポグラフィとグラフィックデザインへの入口だった。印刷の歴史とコミュニケーションの未来を関係づけるという同博物館の使命に応えて、これらを組み合わせることでアナログとデジタルを対話させる方法を模索した。
タイポグラフィは鉛の文字からコンピューターのベクターへと、500年という印刷の歴史と並走しながら進化してきた。本プロジェクトのVI(ビジュアルアイデンティティ)は、タイポグラフィ的事象をベースにしている。すなわちその歴史、ブラックレターからモダン書体へ、新しいツールが導入されるたび、文字のスタイルは変遷してきたのである。
私は、印刷をコミュニケーションの伝統的な手法として、デジタルを現在と未来のコミュニケーション手段としてとらえ、どちらか一方を欠いたら情報が成立し得ないこの2つの伝達手段を再び結び付けたいと思った。2つの伝達手段のつながりを強調するために、マッピングし、印刷面に投影し、対話をより明確にした。
このディスプレイシステムは、グーテンベルク博物館のさまざまな部屋を示している。最初の部屋は、グーテンベルクから今日に至るまでの印刷の歴史に関する部屋、「アトリエ」はワークショップが開かれるスタジオルーム、企画展示室はタイポグラファーのアドリアン・フルティガーにちなんで名付け、ビデオルームではアーカイブを閲覧できる。
グラフィックモーションは、印刷分野(インクの調肉)と金属活字組版のジェスチャーとコードのリ・アプロプリエーション(再流用)である。システムはモジュール方式で構築されており、各印刷パネルは取り外し可能であるため、博物館は展示内容に合わせてさまざまに構成することができる。
このプロジェクトにより、2つの異なるタイプの伝達手段を結び付ける可能性を探り、コミュニケーションの新しい方法を創りあげることができた。


Chi-Binh Trieu(スイス)
1990年スイスのフリブール生まれ。通信会社Mediamaticsでの4年間の研修の後、新しい伝達手段とグラフィックデザインへの情熱に目覚め、ローザンヌ美術大学に入学。2014年にグラフィックデザインの学位取得、在日スイス大使館でのインターンシップを通じて日本について発見する。両国には正確性、シンプルさ、エレガンス、そして何よりバランスという多くの類似性があることから、日本の文化に魅力を感じるようになる。現在はグラフィックデザイナーとして独立し、こうした類似性を具体化する作品の制作に取り組んでいる。