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2015

Financier Typeface Family

— Kris Sowersby

TDC賞


 

「Financier Typeface Family」
タイプデザイン作品

Financierは、2014年9月の「フィナンシャル・タイムズ」(FT)リデザインのために制作された新しいフォントファミリーである。Financierは二つの相補的スタイル(Financier DisplayとFinancier Text)で構成される。数ヶ月の間、Kevin WilsonとMark Leedsからデザインの指導を受けた。
報道、分析、ビジュアル・ジャーナリズムにおけるFTの力を見せつける、より鋭敏で現代的な新聞を作ることが要点だった。FTは、金融だけでなく芸術、科学、スポーツのニュースと特集記事を扱う万能性を備えた、エレガントで権威あるセリフ書体を望んでいた。さらにフォントは、幅広の普通サイズの新聞から、幅の狭い携帯機器の画面まで、あらゆるメディアで使えるものでなければならなかった。
新聞のフォントの大半には、伝統的にボールターミナル(字画端の円形装飾)がある。これを排除することは驚くほど難しいことに気付き、ジャンルに関する想定を再評価しなければならなかった。最初に、さまざまなウェイトをサポートし、デジタル画面でも使える、新聞の文章と見出しのバランスに合った、ボールターミナルのない適切なモデルを探した。
エリック・ギルの書体、とりわけSolus、Joanna、Perpetuaに決め、数日のうちに素早く本文書体とディスプレイ書体の概要を描いてみた。概して、Financier Textの美的側面はSolusとJoannaに、Financier Displayの美的側面はPerpetuaに従っている。
Financierの本文と見出しのいずれにおいても、機械的に傾斜させたローマン体と「適切な」イタリック体の美的側面を調和させようとした。いくつかは成功した。f、g、kはギルの作品を考慮しており、残りの字形の出来具合を対照する際に必要になった。本文書体のイタリック体は、傾斜のあるローマン体の概念を起点とし、納得できる出来映えにするために無関係な細部を過不足なく排除する。幸いにも、過酷な印刷工程に問題なく対応できる。


Kris Sowersby
2003年にファンガヌイのスクール・オブ・デザインを卒業。グラフィックデザイナーとして短期間働いたのち、2005年にニュージーランドのウェリントンにKlim Type Foundryを設立。2007年にFeijoaフォントを初めて国際市場で販売した。2008年、二作目となるNationalフォントを発売し、ニューヨークTDC賞を受賞。その後、(SerranoとHardysで)ニューヨークTDC賞受賞。FF Metaをセリフ体にアレンジしたFF Meta Serifなど、様々なカスタムフォントと小売用フォントを制作した。フォントデザインの評判のおかげで、Christian Schwartz、Erik Spiekermann、Chester Jenkinsなど現代の著名なタイポグラファーや、House Industries、DNA Design、Pentagramなどの有名デザイン事務所と共に仕事をした。2010年ADCヤングガンに選出され、2013年より国際グラフィック連盟(AGI)会員。Sowersbyのフォントは、歴史的知識と綿密かつ現代的な出来栄え・仕上がりを兼ね備えている。Klim Type Foundryは、klim.co.nz.でフォントを直販している。