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2019

The Trumpet of the Swan

— Andy Simionato + Karen ann Donnachie

TDC賞


 

「The Trumpet of the Swan」Experimental Work
(Client : Academic Research in Machinic writing)

本作品「白鳥のトランペット」は、ツイッター・アカウント@realDonaldTrumpで公開される全てのツイートを、カスタム・コードのマシーン草書体文字を使い、途切れない記録紙のロールに自動的に書き込む筆写ロボットマシーンである。
作品のタイトルは、1970年に出版されたE.B.ホワイトの童話から取った。その本は歌うことのできない白鳥の物語。独りぼっちで友だちがいなかったけれど、一人の少年が白鳥の為に楽器店からトランペットを盗んできて白鳥を救う話である。また作品のタイトルは、トランプ大統領がツイッターというソーシャルメディアのメッセージ・サービスを使い、さえずる小鳥のロゴマークのみならず、造語のツイートでメッセージを発信する行動を表す。第45代USA大統領就任式以来、ドナルド・トランプは自分のツイッター・アカウントから4500回ものツイートを発信している。
我々の筆写ロボットは、パラメトリック手法で手順制御のカスタム・コードの「マシーン草書体」を使って文字を書く。そのマシーンの動きは人間の手書きの動きを真似て、文字、単語、文章、パラグラフを即断即決で書き出す。しかしその人間と同等の能力とは異なり、この筆写ロボットはトランプ大統領のこれまでのツイート全部を、休むことなく約30日で書き上げることができる。その後ロボットは次のツイートを待って耳をかたむける。
E.B.ホワイトの童話は白鳥がトランペットを吹けるようになり、友だちもできて完結する。一方少年は白鳥を助ける為に行った誤った行動の教訓を学ぶ。この作品の中で、トランプ大統領のツイートを、幸せを見つけようとする彼の試みとして、形而上学的レベルに置きなおす。そしてトランプ大統領にこの声を与えることで我々自身の共同責任を考察する。
今回の受賞は我々がロボット・タイポグラフィと筆写マシーンの実験を続けていくための大きな励みとなった。


Andy Simionato + Karen ann Donnachie(オーストラリア)
カレン・アン・ドナチエとアンディ・シミオナトは人間マシーンのマークメーキングとタイポグラフィの分野で活動する。2000年代初めからスタジオでの仕事に加え、受賞したアートの実験的定期刊行本『This is a Magazine』と『アトミック・アクティビティ・ブック』を出版。彼らの作品はミラノ・デザイン・トリエンナーレなど国際展覧会で展示される。出版物は主なものに『プリンストン建築プレス』、『カム・トゥギャザー:共同アートとデザイン』、『プリント・マガジン』(USA)、『クリエイティブ・リビュー』(UK)、『I-D』(UK)、『Tokion』(USA/JP)、『ヴォーグ』(IT)、『+81』 (JP)、『フォーム』(DE)などがある。オーストラリアのメルボルン在住